yukimuraのメモ帳 ver.2

新宿葬命

『新宿葬命』(2024)
評価 : ★


G-MODEから発売のノベルゲーム。
原画・すめらぎ琥珀、シナリオ・片岡とも

片岡とも氏がシナリオを手掛けた作品では『Christmas Tina』が断然素晴らしい出来でしたが、続く『神の国の魔法使い』と本作にはもはや失望といったところです。
まあ『Christmas Tina』の場合、ディレクションを務めた人が優秀だったんでしょう。
最近はまた、凡作以下を作っていた頃の、昔の片岡とも氏の作品と変わらないです。

内容としては新宿を舞台にした裏社会ものですが、ファンタジー要素を加えた泣きゲー的な作風なので、結局いつもの片岡とも作品という感じです。
普段の片岡とも作品と同じく、本作も短編でありながら妙に冗長でかったるいです。

そして、このファンタジー要素がどうも面白くないです。
正直私は、開始数分で不死身やら幽霊やらが出てきた時点で「うわぁこれ買わなきゃよかった…」と思いましたね。
もし事前に体験版をプレイしていたら、きっと購入回避してたでしょう。
個人的に、片岡とも氏はこういう中途半端にファンタジーを絡めるよりも、もっと現実路線のほうが合っていると思います。

ゲームとしての体裁を整えるつもりなのか、本作は群像劇スタイルで、ちょこちょこキャラクター選択画面が挟まるのですが、これも全く上手く機能していません。
キャラによっては少し読んだだけで終わりで、わざわざ別視点を挟む必要あったか?と言いたくなります。
しかも、選択するキャラが一人しかいないのに、わざわざ選ばせる画面を挟むとか、正気か?と疑いたくなります。

そしてグラフィックですが、『Christmas Tina』で見せたテキストの表示の工夫は一切なくなり、画面下にテキストが表示される平凡なスタイルのまんまです。
過去作から何も学ばず、むしろ退化してるとは一体どういうことなんでしょう?

立ち絵に目パチ口パクはありますが、一枚絵は動きません。
その一枚絵にしても、人物が斜めに映ってるような、他の美少女ゲームでよく見られるつまらない構図ばかりで、何の面白味もありません。
いい加減美少女ゲーム業界は、これらの問題を早急に解決して欲しいです。

そんな感じで、個人的には良かった点が何ら見出だせない作品でした。
最後までプレイすれば一定の感動はあるでしょうが、正直私はスタッフロールでクラウドファンディング出資者の名前がズラーッと並んでるのを見て白けてしまいました。
クラファンしてこの出来?って感じでしたね。
本当に買って損しました。

「ブログのネタになるから~」と私も最近ついついゲームを買い漁っていましたが、いい加減★2以下の作品に付き合う金も時間も勿体なく感じてきました。
このブログの第一目的は、面白い作品や良質な作品を見つけることなので、このくらいの出来の作品を買って感想を書くのは、他の熱心なファンの人に任せて、私はもう終わりにしようと思います。
こうして発売直後の新作に低評価を付けて、クリエイターやファンの方々から恨みを買っても嫌ですしね。
今後は、本作のように最初から期待値の低い作品は、容赦なく購入対象外にしていきましょう。