yukimuraのメモ帳 ver.2

鳩宮娼館 ランコの娼館経営人生

『鳩宮娼館 ランコの娼館経営人生』(2022)
評価 : ★★★


皆さん御心配お掛けしました。
温泉に浸かって心身共に清めてきたので、今ではすっかり回復しました。
これからバリバリ更新します!…とは言えないけど出来る範囲でやっていきます。

handMadeGamesから発売の同人ゲーム。
公式ジャンルは「娼館経営ADV」。

立派な邸宅に住む貴族の娘・鳩宮ランコは何不自由なく暮らしていたが、ある日父親に「金が無くなった」と告げられる。
突如借金を抱え、母と共に身売りの危機に瀕するが、ランコは妙案を思い付く。
「誰かの下で売られるくらいなら自ら売りましょう」
こうして鳩宮娼館は始まるのであった…。

プレイヤーは主人公のランコとなり、借金返済のために娼館を経営します。
娼婦を調教したりストーリーを進める「ロビーパート」、娼婦に客を取らせてお金を稼ぐ「娼館パート」、この2つを繰り返してゲームは進行します。
ゲーム内容に若干SLGっぽさはありますが、各要素は簡易的で、そこまで本格的ではありません。

それ以上に、ストーリーや合間で起こるイベントを楽しむことに重点が置かれた作品です。
低価格の同人ゲーなので、ボリュームはそんなにありませんが、主人公のランコの少女期から始まり、青年期、熟年期、老年期までを大まかに描いた一代記です。
大正から始まり現代の令和まで、時代は移り変わり、ランコの周囲の登場人物も移ろっていきます。

没落貴族となったランコが娼館を経営するという内容ですが、実際プレイしてみると、そこまでの悲壮感はありません。
基本的に明るくコミカルで、登場人物もお馬鹿な感じです。
終始騒がしい感じで、個人的な趣味にマッチしない部分もありますが、やってて楽しい作品でしたね。

通常画面は、一般的な美少女ゲームのような立ち絵ではなく、フェイスウインドウを用いています。
それらが動いたり、漫画のように吹き出しや擬音が表示されたり、雰囲気作りに一役買っています。
ただし、この画面が小さくて、その中でフェイスウインドウがチマチマ動いているので、全体的に何だかこぢんまりした印象でした。
個人的には、画面をもっと大きくして、立ち絵とフェイスウインドウを併用するなど、もっと工夫が欲しかったですね。
あとは絵も同人らしく上手いとは言い難い感じです。

全体的に、同人ゲームらしく荒削りですし、ボイスもありません。
しかし、コミカルな中にキメセク、男の娘、近親相姦などのエロ要素もあり、そこに家族愛を交えたランコの一代記のストーリーもあり、ミニマムながらエロゲらしい魅力が詰まっています。
本格的ではないにしても、ADVに簡易的なSLGを併せたシステムも楽しめます。

低価格でいろんな要素の詰まった内容が楽しめるので、結構気に入る人もいることでしょう。
エロゲの多様性を考えると、こういう作品も必要でしょうね。