yukimuraのメモ帳 ver.2

ユニコーンオーバーロード

ユニコーンオーバーロード』(2024)
評価 : ★★★★


アトラスから発売のシミュレーションRPG
開発は『ドラゴンズクラウン』『十三機兵防衛圏』などを手掛けたヴァニラウェア

ファンタジー世界のフェブリス大陸を舞台に、亡国の王子アレインが新生ゼノイラ帝国から世界を解放する戦いを描いています。
内容的には、90年代の王道ファンタジー作品を思い出させ、懐かしい感じがします。

ただし、ストーリー・キャラの描写に関しては、王道すぎるが故にあまりにも型通りで面白味は薄いです。
敵となる人物も、大体が術で操られてましたってパターンで拍子抜けです。
それぞれの信念がぶつかり合う熱い戦いみたいなのは無いので、ストーリーには期待しない方がいいでしょう。

ゲーム的には、リアルタイムストラテジーシミュレーションRPGを組み合わせたシステムを採用しています。
ステージでは敵味方がリアルタイムで行動しますが、自軍を操作する時は時間が止まって、他にも好きなタイミングで一時停止できます。
敵味方が接触すると戦闘画面となり、1~5人で編成されたユニット同士がオート戦闘で戦います。
敵のボスを倒したり、占領された街を解放したり、それぞれのステージで設定された条件を満たすことで勝利できます。

各キャラにはナイト、シーフ、ハンターなどのクラスがあり、各クラスにはそれぞれ相性があります。
固有キャラは総勢70名で、これらのキャラを組み合わせて好きなユニットを編成できます。

また、普通のRPGのようにフィールドでの移動が採用されており、広い世界を移動しながら、アイテムを探索したり、街で買い物したりできます。
ある程度好きな順番でステージを攻略でき、基本的には寄り道して各地で仲間を集めたりレベルアップしながら攻略するのが良いですが、それらを飛ばして進むことも可能です。

こんな感じで、大元のゲームシステムは『伝説のオウガバトル』を踏襲していて、各要素自体に新味はないものの、過去の作品から色んな要素を拝借し、全体的には楽しめる作品に仕上がっています。
多数のキャラが登場し、それらの組み合わせ次第で様々なユニットが作れます。
攻撃に特化したユニットを作ったり、守りの堅いユニットを作ったり、あれこれ試行錯誤するのが面白いです。
ボリュームもたっぷりなので長く楽しめます。

そんな本作の一番の特徴はやはりグラフィックでしょう。
ヴァニラウェア作品特有の非常に細かく描かれた2Dグラフィック、滑らかなアニメーションは本作でも健在です。
イベントシーンや戦闘シーンでの、綺麗な絵がそのまま動く様は素晴らしいです。

近年はインディーゲームでも2Dの作品が多いですが、ドット絵などの古い表現をそのまま再現したものばかりで、技術の進化を感じられる作品が全然ありません。
現代の技術で2Dのグラフィックを作るならば、本作のような見応えのあるものを目指すべきでしょう。
ただし、本作もフィールド画面に関しては、何だか古めかしい感じでしたね。
内容も相まって、それこそ90年代のゲームをプレイしているような錯覚に陥りました。

また、本作のアニメーションは非常に滑らかに描かれていますが、個人的に女性キャラのモーションは特に必見だと思います。
スカーレットの乳揺れとか、ロザリンデ&エルトリンデの妙に艶かしい動きとか、ユニフィのぶっとい太ももとか、全体的にエロスやフェティシズムを感じさせるものが多いです。
人間の他、エルフ、獣人、巨人、天使など幅広くカバーされていますし、プレイすれば何かしら嗜好にヒットする女性キャラが見つかることでしょう。

総合では、良質なグラフィック・アニメーションにより彩られた王道SRPGでしたね。
内容的には新味不足ですが、昔懐かしい要素を多く取り入れたシステムは楽しめました。
現代の技術で再現された90年代の王道路線に興味があるならば、きっと楽しめることでしょう。