yukimuraのメモ帳 ver.2

2024.4 雑記

映画やアニメの感想など。


《映画》
鑑賞本数が減っていますが、今回は最近観た映画の中でも特に印象的だった作品を、邦画と洋画から一本ずつ選出しました。

『LOVE LIFE』(2022)
評価 : ★★★★
深田晃司監督は出世作『淵に立つ』以降どの作品も面白いですが、今回も力作でした。
本作も家族に焦点を当てた作品で、矢野顕子の同名曲「LOVE LIFE」から着想を得て作られたようです。
幸せに暮らす夫婦の元に突然の不幸が起こり、そこに失踪していた妻の元夫が現れ、物語は動いていきます。
登場人物の態度が状況によって変わっていく様子など、今回も人間の多面性について考えさせられる内容です。
主演の木村文乃は普通の人を自然に演じられる女優で、個人的にも好きですね。
映像的には、ラストの矢野顕子の「LOVE LIFE」が流れながら、長回しのロングショットの場面が断然良かったです。



『小さき麦の花』(2022)
評価 : ★★★★★
規制の厳しい今の中国では、かつてチャン・イーモウ監督らが活躍していた時代のような充実した映画が見られなくなりました。
しかし、この作品は久しぶりに素晴らしい中国映画であると感じられましたね。
中国の農村で暮らす貧しい夫婦の様子を、厳しくも美しく映し出した作品です。
農村の風景を捉えた撮影の印象派の絵画のような美しさはエルマンノ・オルミ監督『木靴の樹』、ロバが重要な役割を果たすのはロベール・ブレッソン監督『バルタザールどこへ行く』、農作業の風景は新藤兼人監督『裸の島』。
映画ファンにとっては、これらの名作映画を想起させられましたし、本作も上記の作品に引けを取らない映像芸術作品でした。
本国でも観客から高い支持を得た作品ですが、残念ながら中国の格差社会を浮かび上がらせる内容が反体制的と見做され、その後に公開中止となったようです。
これだから国民の自由がない全体主義は駄目です。





《アニメ》
『君を愛したひとりの僕へ』(2022)
評価 : ★★
同名のライトノベルのアニメ映画化。
『君を愛したひとりの僕へ』『僕が愛したすべての君へ』の二作品でワンセットとなり、どちらを先に観るかで印象も変わってきます。
どちらを先に観るかは、それぞれのお好みで大丈夫です。
感想は下に続きます。

『僕が愛したすべての君へ』(2022)
評価 : ★★
上記の『君を愛したひとりの僕へ』の対となる作品。
二作共に、あったかもしれないif、複数の可能性を描いたSF系の作品です。
二作はそれぞれヒロインとの関係性が異なりますが、私は本作のヒロインの和音のほうが気に入りましたね。
こういうのを見慣れていない人にとっては、二作合わせて壮大な作品に感じることでしょう。
ただ、こういう複数の可能性を描いた映像作品には、実写映画に優れた作品があるので、個人的にはそちらを観てほしいと思います。
私がオススメしたいのは『スライディング・ドア』と『ミスター・ノーバディ』。
特に『ミスター・ノーバディ』は、本作より遥かに複雑かつ鮮やかに描かれたSF作品です。

金の国 水の国』(2023)
評価 : ★★
対立する二つの国の男女の結婚という題材自体は好きです。
しかし、映像的にも物語的にもそれほど強い魅力が感じられず残念でした。
観ていて思ったのが、こういう題材をフランスのミッシェル・オスロ監督辺りに作らせたら、異国情緒豊かで遥かに面白い作品を作ることでしょう。

BLUE GIANT』(2023)
評価 : ★★★
ジャズを題材にした漫画のアニメ映画化。
演奏シーンの音楽、登場人物の熱気を捉えたカメラワークが素晴らしく、これだけでも一見の価値があります。
演奏シーンの熱気には、実写映画『セッション』を思い起こされました。
残念なのは、演奏シーンで手描きアニメとCGアニメが混在していて、これが観ていてどうにも馴染めず落ち着かないです。
手描きアニメで統一してくれれば★4でもよかったですね。

『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(2023)
評価 : ★★
実写映画『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』よりはマシですが…。
マリオファンが喜びそうな映像を詰め込んでいるものの、ゲームのハイライト集に過ぎず、兄弟愛を扱った物語も御為ごかしという感じです。
私はゲームも映画も好きですが、ゲームの映画化には本当にロクな作品が無いので、もうゲームは映画化しなくてよろしいです。
(これを観るくらいなら『シュガー・ラッシュ』を観たほうが遥かに有意義です)

スパイダーマン : アクロス・ザ・スパイダーバース』(2023)
評価 : ★★★★
スパイダーマン : スパイダーバース』の続編。
前作は世間での評価が高かったですが、個人的には日本の今敏湯浅政明の作品のイマジネーションにはまだまだ及ばないなという印象でした。
しかし、本作は前作から映像が大きく進化し、その目まぐるしく変化する画面には圧倒されました。
狂騒的なイマジネーション、その一点に関してなら全アニメ中最高とすら言えるかもしれません。
物語はマルチバースが関わり、多数のスパイダーマンが入り乱れます。
出入りが激しいですが、その目的自体は単純で見易いと思います。
本作は前後編の前編に当たり、次回作に続きます。



『葬送のフリーレン』(2023)
評価 : ★★★★★
前クールからの続きです。
全体通して非常に面白く、最後まで高いクオリティを維持していました。
今回の一級魔法使い試験編は、これまでより戦闘シーンが多く、アニメ的にも盛り上がる部分です。
やはりこういう戦闘シーンは漫画でも想像力の限界があるので、アニメで派手に盛り上げてくれたほうが個人的に嬉しいですね。
新キャラも多く登場し、ユーベルは特に人気キャラですね。
個人的にはラオフェンが可愛かったです。
男性キャラはやはりデンケン、殴り合いじゃぁぁぁぁッ!!!!
あと前の感想で言い忘れてましたが、前期EDでの草花を使った切り絵アニメ、後期EDでの粘土を使った人形アニメも好きでした。
やはり斎藤圭一郎監督は原作を大きく膨らませて作るのが上手いです。



薬屋のひとりごと』(2023)
評価 : ★★★
こちらも前クールからの続きです。
安定した面白さはありますし、人気があるのも頷ける作品です。
個人的にはそこまで強い印象はなかったので、評価はこのくらい。
2期が始まる頃には興味が薄れていると思います。

魔法少女にあこがれて』(2024)
評価 : ★★★★
こういうギリギリのエロを描くアニメって、素直に18禁のOVAでやればいいのにと思っていて、実際本作についても少なからずそう思っています。
しかし、本作は純粋に面白かったですし、個人的にもかなり楽しみましたね。
魔法少女に憧れる主人公が、対立する悪の幹部として選ばれてしまい彼女達と戦うことになりますが、次第に彼女達を嗜虐する快楽を覚えてしまいます。
魔法少女との戦いが一種の「プレイ」となっていて、笑いながらマニアックなシーンも堪能できて楽しかったです。
最後の変態同士のバトルも大いに笑わせてもらいました。
途中、妙に作画が崩れるところは気になりましたけどね。
お気に入りキャラはマジアアズールとロコムジカ。



『ゆびさきと恋々』(2024)
評価 : ★★★★
そこまで話題になりませんでしたが、土曜のアニメでは一番好きでしたね。
最近多い騒がしいラブコメよりも、私は本作のような恋愛模様のほうが断然好きです。
主人公の雪が聴覚障害を持つ女子大生というのが、他の恋愛ものと異なる点ですが、彼女と恋仲になる逸臣をはじめ、周囲の人物が彼女と極めて普通に接しているのが良いです。
(私は差別が嫌いですが、障害者を可哀想な弱者として、必要以上に腫れ物のように扱うのもまた差別ではないかと思います。)
メインは雪と逸臣の恋愛で、その周囲を数人の男女の恋愛が深く浅く彩るといった感じです。
雪はとにかく可愛いですし、逸臣もマイペースながら好青年で、二人のピュアな恋には心が洗われます。
私なんかは、桜志と心の未練を持った男のほうに感情移入しちゃいましたね。
とにかくお気に入りの作品でした。



『僕の心のヤバイやつ 2期』(2024)
評価 : ★★
人気があり2期も作られましたが、相変わらず焦れったいばかりで大して進展しない関係、それっぽく盛り上げる引きばかり見せられるので、いい加減飽きてきます。
山田は可愛いんだけどね。
一定の楽しさはありますが、『ゆびさきと恋々』の後にこういうラブコメを観るとガッカリさせられます。

『勇気爆発バーンブレイバーン』(2024)
評価 : ★
第1話でシリアスな作風から急にコミカルになり、その落差で笑わせようとする時点で、作品としての程度の低さが窺えます。
しかもそこが作品のピークなのだから、最早救いようがない。
その後も、ホモ臭いネタ、面白くないギャグ、これまた面白くないシリアスと、御為ごかしのような展開が続きます。
ロボットアニメとして一定の見応えはあるものの、駄作・愚作と言っていい出来です。



《今後の予定》
昨年11月からゲームの感想を書いてきましたが一段落しました。
とりあえず、ここ最近私がプレイしたゲームで面白かった作品は大体こんな感じです。
一応記事を書けそうな作品のストックはあるものの、あまり好きじゃなかったり、書いても面白くないものが多いです。

感想を書いてない昨年の作品では、『Horizon Call of the Mountain』『Stray Gods: The Roleplaying Musical』辺りは、技術的には凄いけど内容的には好きになり切れないという感じですね。
あとは近年の乙女ゲーで、Switchで遊べる良さそうな作品を何本か買いましたが、『BUSTAFELLOWS』『終遠のヴィルシュ -ErroR:salvation-』は評判ほど楽しめなかったですね。
あと『ユニコーンオーバーロード』が未プレイなので、そろそろやりたいです。
もし他に、この作品面白いのにやってないの?って良い作品があれば、私も是非プレイしたいので教えてください。

個人的にも、ここらで一旦休憩したいので、当初の予定通りしばらく更新をお休みしようと思います。
あとは今後の期待作の発売を待ちながら、何か書きたい記事があれば、その都度書くことにしましょう。

期待作と言えば、先日『Stellar Blade』の体験版が公開されたので、早速プレイしました。
やはり美人の女性キャラを操作できるアクションゲームは良いです。
女性キャラが不美人の『Horizon』シリーズとは大違いです。
ゲームの世界にまでポリコレ云々を言う必要ないですし、それを理由に作品の評価を下げる人もどうかしてます。
どうせ見るなら美人を見たいに決まってるでしょう。

あとは、前回の雑記以降にも期待作が発表されたので、そちらも楽しみです。
特に楽しみなのは、ANIPLEX.EXEから発売の『たねつみの歌』ですね。
作品紹介を見るだけでもワクワクしてきます。
今から発売が楽しみでなりません。