yukimuraのメモ帳 ver.2

リトル・マーメイド

『リトル・マーメイド』(1989)
評価 : ★★


ディズニー製作のアニメ映画。
原作はアンデルセン童話『人魚姫』。
今回は作品の感想というより、個人的な大まかなディズニー・アニメ評という感じです。

世界初のカラー長編アニメーション『白雪姫』でアニメの世界に金字塔を打ち立てたディズニーですが、続いて『ピノキオ』『ファンタジア』を作った辺りまでが、個人的にディズニー・アニメ全盛期だと思います。
70年代以降も『おしゃれキャット』『きつねと猟犬』など例外的に好きな作品はありますが、殆んどが凡打の山という状況が続きます。

細かく言えば、だんだん絵に可愛げがなくなり、作画も平凡になります。
お話もありきたりで説教臭さもあり、時代の流れに乗ろうとしたのが悉く裏目に出ている感じです。
さらに、自身が生み出したセミ・ミュージカルという旧来の形式から、全く抜け出せていません。
結局のところ、『白雪姫』から何も進歩していないんですよね。

今世紀になって、傘下のピクサーの躍進に完全に押されつつも、ようやく『プリンセスと魔法のキス』『シュガー・ラッシュ』『アナと雪の女王』など、良い作品をポツポツ作れるようになりました。
しかし、近年はまたまたポリコレ、フェミニズムに配慮した作品ばかりで、作品としては厭らしいものばかりになりました。

まあ最近はディズニーに限らず、洋画全体がそういう流れになっています。
私としては、そうした主張は作品の外でやれ、作品の中に持ち込むなと思うので、この流れが続くようなら、私はそのうち洋画を観なくなるでしょう。
彼らが声高に主張する「多様性」は、作品から多様性を奪っているので、大嫌いです。

そんなわけで、ディズニー・アニメ停滞期に生まれた本作ですが、作画も物語も平凡、終盤にようやくアニメとしての面白味が出てくるも時既に遅しという感じで、総合ではやはり凡作でしょう。
それにしても、本作も『美女と野獣』も『アラジン』も凡作なのに、世間では何故か名作扱い…。
一体どういうことなんでしょう?
いい加減ディズニーを無条件に神格化するのはやめましょう。