yukimuraのメモ帳 ver.2

ファイナルファンタジーXVI

『ファイナルファンタジーXVI』(2023)
評価 : ★★★★


たまにはゲームの感想も書きましょう。
先日発売したばかりのシリーズ最新作ですが、クリアした勢いで早速書いちゃいます。

最早説明不要の国民的RPGファイナルファンタジー』、そのナンバリングタイトル第16作です。
昔からのFFファンで、オンラインの『11』『14』は未プレイですが、それ以外のナンバリングは初代から全部プレイしてます。
FFシリーズと共に育ってきた私ですが、そんな私が一番好きなタイトルは『10』であり、同時に最後に本当に夢中になってプレイした作品も『10』でした。
それ以降の作品も好きですが、あの頃のように夢中になってプレイできるFFをもう一度やりたいというのが、私だけでなくFFファンの願いだと思います。

そこで本作ですが、発売一週前に公開された体験版が凄く面白かったんですよね。
「これは久しぶりに物凄く面白いFFが出来るんじゃないだろうか?」という、最高級の期待を持ってしまいましたね。
スタッフは『ゲーム・オブ・スローンズ』を参考にしたようで、体験版以降もきっと、主要キャラも容赦なく死んでいく血みどろのダーク・ファンタジーが展開されるに違いないと思い、発売が楽しみで仕方ありませんでした。

しかし、発売していざ進めていくと「あれ?」という感じでしたね。
確かに、それまでのFFにはない流血表現やベッドシーンの多い作品ですが、それを除けば思ったより普通のファンタジーという感じで、だいぶ肩透かしを喰らいました。
お話的にはそれこそ、FC・SFC時代のFFのクリスタルを巡る戦いの拡大版と言ったところで、そこにPS以降のFFの理屈っぽさを加えた感じ、というのが個人的な感覚です。

全体的には凄い良くも悪くもなく、標準程度だと思います。
イベントもお使いばかりで、組織のリーダーなのにやたらパシリという感じでしたね。
ストーリー的にはちょいと失望の感さえありましたが、それは私が勝手に伝説的な期待を持ちすぎたのも悪いでしょう。

戦闘システムに関しては、アクションの苦手な私のような人間があれこれ言うのも野暮という感じがしますが、そうしたプレイヤーに対する配慮もあり、個人的には有難かったですね。
主人公と共に戦ってくれる狼のトルガルにも愛着が湧きます。
お話を中心に楽しみたい人はストーリーフォーカスモードを選び、それでは単調・ぬるいという人は、アクセサリを付け替えたりアクションフォーカスモードで楽しめばいいでしょう。
そうした作品を楽しむための最低限度の努力もせずに、文句を言うのは違うでしょう。

そして目玉の召喚獣バトル、やはり本作の最大の魅力は、PS5の処理能力だから実現できたこの部分でしょう。
イフリート、フェニックス、バハムートなど、シリーズでお馴染みの召喚獣が派手に暴れ回る様は、まさに大迫力と言うべし。
巨大な召喚獣が大地や建造物を破壊しながら暴れる様は、さながら怪獣大決戦ですね。
人間が百や千のダメージで戦ってるところを、召喚獣が十万や百万の大ダメージを叩き出すのは圧巻でした。

また、ボス戦や召喚獣戦では、要所要所でムービーが入りますが、そこでQTEのボタン操作を要求されるのですが、流石にだんだん煩わしくなってきます。
さらに、映像は華美で見応えありますが、所々の演出が大仰で、なんだか苦笑が洩れる場面もあります。
その最たるものが、ラスボス戦のとどめの顔面パンチ→999999の場面で、あれは流石に失笑ものでしたね。
(クリア後にネットを見たら、案の定ネタにされてました)

総合的には、グラフィックと召喚獣バトルの迫力は明確な長所であり、そこに関しては一見の価値ありです。
その他の部分は、問題点もあるけど無難に楽しめる内容でしょう。
評価は迷いましたが、やはり召喚獣バトルの迫力は捨てがたいので★4にします。
PS5のグラフィックを存分に味わいたい方にとっては買いでしょう。





そしてここからは余談で、作品を取り巻く事情の話になります。
私はクリアするまでネット断ちをしてましたが、クリア後にネットを覗けば、案の定レビューサイトで本作に0点の最低評価を付ける輩が現れましたね。
FFは注目度の高いシリーズですが、近年では発売する度に貶そうとする輩が多いです。
しかし、その殆んどが不当なバッシングだと言えましょう。

そもそもの話、作品に0点を付ける人間、さらに言えば0点を付けられる仕様にしているレビューサイト側、その双方ともに一体どういう神経をしているんでしょう?
私は作品に点数を付ける時、10点満点で1点、100点満点で10点など、絶対数は少ないですが、ものによっては特に低い点数を付けることもあります。
しかし「0点」というのはあり得ないです。
0点というのは無価値ということで、そのゲームだけでなく、ゲームという文化そのものに対する侮辱でしかないでしょう。
作品に0点を付ける人間には、作品愛だけでなく、ゲームに対する愛も欠片も感じられません。
そんな点数を付ける人間は、今後一切ゲームをやる資格は無いとすら言えます。

さらに言えば、自分が気に入れば100点、気に入らなければ0点、そんな両極端な点数の付け方は、批評でも何でもないです。
批評というのは、その作品の達成度の妥当なラインを測っていく、極めて繊細な作業です。
例えるなら、弓道のように、的を絞って射抜くことに似ています。
私のような未熟な人間は的を外すこともあるでしょうが、最高点も最低点も軽々しく付けるようなことは断じてありません。
彼らのように、デタラメにマシンガンを乱射するような、テロリストのような行為とは訳が違います。
正直な話、その程度の人間にレビューサイトを使って欲しくないですね。

確かに私は、本作を名作とは言わないものの、決して駄作とも言わないし、一部の人間がまるで世紀の大駄作であるかのように語るのは大間違いです。
この作品のどこに駄作と呼べる要素がありましょうか?
FFシリーズ最新作という色眼鏡が、多くの人の目を曇らせています。
おそらくFFの新作でなく、完全新規の作品として発売されていれば、ここまで酷評されることはないでしょう。

話題性に便乗して言いたい放題な輩、そんな他人の意見に同調して安心感を得たい輩、もちろんこのブログの読者にそんな最低な輩はいないと信じてます。