yukimuraのメモ帳 ver.2

名探偵ホームズ

『名探偵ホームズ』(1984)
評価 : ★★★


コナン・ドイル推理小説シャーロック・ホームズ」シリーズを原作としたTVアニメ。
監督は宮崎駿と御厨恭輔。

シャーロック・ホームズ」を原作としていますが、内容は完全にオリジナルで、キャラクター全員も動物を擬人化したものに置き換わっています。
原作のような殺人事件は一切起こらず、その多くが盗難事件です。
殆んどの話に当てはまるパターンとして、モリアーティ教授とその仲間が事件を起こし、ホームズとワトソンがそれを調査し、ホームズたちとモリアーティたちの追いかけっこがあり、そして事件が解決するという流れがあります。
そんな感じで、本作は「シャーロック・ホームズ」の子供向け翻案です。

良い点としては、特に宮崎駿の監督回の出来が良いことですね。
諸事情により、全26話のうち監督回は3~5話、9~11話の計6話分のみです。
そのうち、5と9話は『風の谷のナウシカ』、4と10話は『天空の城ラピュタ』の同時上映として劇場公開もされました。
本作のファンには、第5話「青い紅玉」の評価が特に高いかも知れないですが、個人的には第3話「小さなマーサの大事件!?」が特に楽しめましたね。
何にせよ、宮崎駿ファンならばチェックしておいて損はないでしょう。

悪い点としては、やはり子供向けなので、大人が観るには刺激が足りないことでしょう。
動物の擬人化というのは、子供受けのいい表現ですが、人間がやってることを動物にやらせているだけなので、基本的には意義が薄いです。
そして、「ホームズ」を原作としていながら殺人が起こらないのは、やはり物足りないです。
殺人のないミステリーは、気の抜けた酒のようで、どうにも酔えませんね。
私もさすがに大好きな宮崎駿の作品であっても、動物の擬人化、殺人のないミステリーでは、どうも気分が乗り切らないですね。

という感じで、大人にはオススメしにくい作品ですが、宮崎駿ファンの方はチェックしてみてもいいと思いますね。