yukimuraのメモ帳 ver.2

クリミナルボーダー 3rd offence

『クリミナルボーダー 3rd offence』(2023)
評価 : ★★★


Purple softwareから発売のノベルゲームで、公式のジャンルは「日常と常識の境界を引き裂く悪人円舞曲ADV」。
『クリミナルボーダー』シリーズの3作目となります。

正直言うと、最近の私は以前ほど商業エロゲをプレイしてないんですよね。
もちろん面白い作品があればやりたいですが、日常パートが長くてかったるい作品はあまりやりたいと思わないんですね。
今年の世間的な代表作と言えば『サクラノ刻 -櫻の森の下を歩む-』『天使☆騒々 RE-BOOT!』辺りでしょうが、私はどちらもあまりやる気が起こらないんですよね。
最初から決め付けるのは良くないと思いつつ、私は多分どちらも楽しめそうにないなと思っています。
今月はとりあえず『妹と彼女 それぞれの選択』を買う予定ですね。
何か皆さんのオススメがあれば教えてください。

そんな私が今の商業エロゲで特に楽しみにしているのが、Purple softwareの『クリミナルボーダー』シリーズです。
これまでのPurple software作品とはだいぶ作風が異なりますが、私のようにテンプレ恋愛エロゲは食傷気味だって人には特に楽しめるシリーズでしょう。

シリーズの大まかな内容は以下の通り。
見た人の性欲を増大させる電子ドラッグを偶然にも開発してしまった主人公・樹が、幼馴染みの凛に誘われて、電子ドラッグを利用した金儲けをすることになる。
普通の人生を歩んできた樹は、パパ活斡旋や半グレの不良学生と関わっていくが、そのうち裏社会で頭角を現していき、次第に極道やマフィアが絡む争いに巻き込まれていく…。

そして3作目である本作では、起承転結の「転」となるショッキングな展開があります。
序盤・中盤こそ『2nd』ほどの波乱がなく大人しめですが、終盤の展開には引き込まれました。
厳密に言えば、全体的にご都合な展開も見受けられますが、娯楽作品としては十分に楽しめたので、私はそれほど気にしないという感じです。
ラストにかけて盛り上がり、次の完結編が楽しみになりましたね。

ただ、このシリーズの欠点としては、やはりその売り方でしょう。
今世紀に入ってから、ゲームに限らずいろんなコンテンツで、一作品で完結しない分割商法の作品が増えてきたように思います。
本作もそれこそ4作品に分割せずに、最初から一本に纏めて出してくれたほうが良かったですね。
4人のヒロインの個別ルートを約4000円でバラ売りしてると考えると、割高に感じる人もいると思います。

あとはCGが少なめで、ストーリー上の重要場面でもっと一枚絵があれば良かったですね。
特にエグいシーンなどで、一枚絵がなく文章で済ませている場面もあるので、そこにもっと力を入れていれば、こちらが受ける衝撃ももっと増したでしょう。
せっかくのノベルゲームなのだから、小説との違いをもっと感じさせて欲しかったですし、作品としてはロスだと思います。

分割商法がネックなので総合評価は★3ですが、終盤で盛り上がり、次の完結編への期待を高めてくれました。
来年発売予定の完結編『life sentence』を今から楽しみにしています。