yukimuraのメモ帳 ver.2

御曹司貢ぎマゾ化計画

『御曹司貢ぎマゾ化計画』(2023)
評価 : ★★★


同人サークル・独特のMによるノベルゲーム。
途中の選択肢により、いくつかのエンディングに分岐します。

マゾ向けに特化したサークル・独特のMによる同人エロゲ。
原画を手掛けるのは、商業でアヘ顔、同人でマゾ向けを描く漫画家・アオヤマ電池。
原画ファンの方なら、買ってもまず損はしない出来と言えましょう。

内容としては、マゾ向けの中でも「貢ぎマゾ」というニッチなジャンルに特化した作品です。
父の死により莫大な遺産を相続した御曹司の主人公の元に様々なタイプの悪女が現れ、初心な主人公を淫らなテクニックで骨抜きにして、その財産を貢がせて奪っていきます。
主人公の元に現れるのはいずれも男を誑かすことに長けた悪女ばかりで、継母、メイド、小悪魔系、黒ギャルと、女性のタイプも良い具合に分かれています。

まず、ゲーム開始直後に「ノーマルモード」「あまあまモード」の二種類のルートを選択します。
どちらのルートも主人公が貢ぎマゾになるのは変わらないですが、「ノーマルモード」はヒロインに貢いだ末に破滅するドM向け、「あまあまモード」はヒロインに貢ぎながらもハッピーエンドのあるソフトM向けです。

エロシーンは手コキ、足コキ、焦らしを中心に、赤ちゃんプレイ、貞操帯、媚薬責め、くすぐりなど、マゾなプレイヤーの欲求を満たすプレイをいろいろ取り揃えており、属性持ちならきっと楽しめることでしょう。

ノーマルモード」では本番行為は殆どなく、快楽漬けで理性を奪われて破滅したり、貢ぐだけ貢いで金が尽きたら捨てられたり、主人公はヒロインの財布としてゴミのように扱われます。
女の子に貢いで破滅したい!という過激派Mな方は、こちらのルートが特に楽しめるでしょう。
「あまあまモード」では、ノーマルモードよりもヒロインが主人公に好意的になり、愛のある本番行為が加わっています。
ノーマルモードでの後味の悪さを癒したい人は、ノーマル→あまあまの順番でプレイするといいでしょう。

私自身は、現実世界で女の子に貢いで破滅するのは嫌なタイプの人間ですが、こうした創作物で貢ぎマゾになって破滅するのを疑似体験できるのは楽しいと思いましたね。
個人的に小悪魔系のモモナちゃんのシーンがツボで、「新しいバッグ買ってぇ」「お小遣いちょうだぁい」と甘ったるい声でおねだりされながら貢ぎ射精するシチュとか好きでしたね。
こういう作品をプレイして気持ち良さを感じてしまう辺り、私も結構ヤバい素質があるのかも知れません。

マイナスポイントを挙げると、ボリュームが少ないこと、システムが悪いこと、「ノーマル」「あまあま」の二つのルートの違いが薄いことですね。
私は「ノーマルモード」の後に「あまあまモード」をプレイしましたが、会話内容がちょこっと違って、最後に本番行為が加わるくらいで、大部分の内容が被っていたのは残念でしたね。

バッドエンドの「ノーマルモード」とハッピーエンドの「あまあまモード」を両方用意したことは良いのですが、最初の選択で分かれるのではなく、途中の選択肢でプレイヤーの行動により分岐させたほうが良かったと思いますね。
ハッピーエンドとバッドエンド、ボリュームがありつつ明確に違う二つのルートをしっかり作り込んで、一粒で二度美味しい作品に仕上げてくれたら評価はもっと上がったのに、その点では勿体なかったですね。

気になる部分もありましたが、アオヤマ電池氏の絵は魅力的で、良いシチュエーションも多くて、主観的にはお気に入りの作品です。
「貢ぎマゾ」に特化したエロゲというのも珍しいと思うので、気になる人はプレイしては如何でしょう。