yukimuraのメモ帳 ver.2

ghostpia シーズンワン

『ghostpia シーズンワン』(2023)
評価 : ★


同人サークル・超水道によるノベルゲームで、公式ジャンルは「デンシ・グラフィックノベル」。
「読む映画」をコンセプトに、映像表現に拘って作られた作品です。

先に言ってしまうと、私はこの作品を全然楽しめませんでした。
何というか、やってることが全部裏目に出て、私の好みから悉くズレまくった作品でした。

まずストーリーですが、私は全く評価できません。
終始ぼんやりしたストーリーで、どこに向かっているのか目的がわかりません。
さらに、キャラは支離滅裂で下品な言動を繰り返し、何の共感も呼び起こしません。
プレイしていて何とも空虚な感覚でした。

絵本風の温かみのあるグラフィックとサウンド、それ自体は良いでしょう。
しかし、そうした温かみのある絵柄と、本作のストーリー・キャラの賑やかな描写が全く噛み合っておらず、私はどうにも逃げ出したくなります。

制作者が拘ったと言う画面のノイズ・グリッチ表現ですが、古びたビデオのような感じを出したかったのでしょうが、単純に見にくいだけでした。
私はちょっとプレイして見にくかったので、すぐコンフィグでOFFにしましたね。

映画界でも『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』以降、それを真似したビデオ撮影で手ブレした荒い画面の作品が増えましたが、個人的には小汚ない画面をずっと見続けるような作品群は好きじゃなかったですね。
本作の表現も、味わいよりも見にくさ、小汚なさを感じてしまいました。

要所にアニメーションを取り入れているのは良いですが、「読む映画」というにも何だか中途半端な感じでした。
いっそのこと『ダブルキャスト』などの「やるドラ」シリーズみたいに、アニメーションを全編に使用してくれれば、もっと楽しめたでしょう。
あえて良かったところを探すなら、各話のシティポップ風のEDは割りと良かったですね。

評判が良いので、もうちょい楽しめるかなと思ってましたが、残念な結果でした。
タイトルに「シーズンワン」とあるように本作は前編になりますが、続きが気にならないので後編はもういいやって感じですね。