yukimuraのメモ帳 ver.2

制服カノジョ

『制服カノジョ』(2024)
評価 : ★★★★


エンターグラムから発売のノベルゲーム。
作中でのSNSの反応により好感度が変動し、各ヒロインのルートに分岐します。

私の★4という評価に読者の方は、妙に評価が高くないか?と疑問に思うかもしれません。
実は個人的な事情により、評価がプラスされています。
その理由については後述します。

今では解散した戯画の『アイキス』シリーズのスタッフによる一般向け作品。
特徴としては、「制服」「SNS」「地方都市」をテーマにした恋愛ゲームです。

都会の学校で酷い失恋をした主人公は、出版社の社長をしている叔父の誘いで、福岡の学校に転校する。
そこで叔父が企画する、制服の魅力を伝える「制服カノジョ」の活動を手伝うことになる。
初期メンバーの同級生・許斐ゆい、不思議ちゃんの後輩・玉依ひまり、人気モデルの先輩・八尋実桜と共に活動するうち、主人公の心は徐々に癒されていく。

という内容で、「制服カノジョ」のモデルとなる三人のヒロインと活動し仲を深めていきます。
合間に、どのヒロインと行動するか選択したり、コンスタグラム(写真共有アプリ)での写真にいいねを押すことで、ヒロインの好感度が上昇します。
仲良くなるとライム(メッセージアプリ)でデートの誘いが来て、デートの行き先を選択する場面もあります。

恋愛ゲームにおけるSNSの活用に関しては、最早それだけで新味とまでは言えません。
しかし、単に選択肢だけで分岐する作品よりは、本作のようにSNSの反応をシステムに組み込んだ作品のほうが、恋愛ゲームとしては好印象ですね。

『アイキス』シリーズから絵は更に綺麗になり、三人のヒロインは皆可愛いです。
メインヒロイン症候群の私は、当然ゆいが一番好きですね。
個人的には彼女が一番可愛くて、イベントも一番エロく感じました。
サブキャラですが、桃尻さんも好きですね。

タイトル通り制服に拘った作品で、ヒロインの制服は冬服、夏服、仕事用の特別制服などが用意されています。
他にも私服も数種類、水着、パジャマ、コスプレ衣装など、様々な服装が楽しめます。
女性のいろんな服装を見るのが好きな私にとって、恋愛ゲームにおけるヒロインの服装の種類は多いほうが断然良いですね。

ヒロインとのイベントでは、全年齢作品でありながら、エロスやフェティシズムを感じさせるものが多いです。
ヒロインの体にタッチするスキンシップタイムなんかも用意されています。
絵も肉感的でなかなかエロくて、内容的にもエロゲ化してほしいですね。
エンターグラムさん、R18化パッチはまだですか?

ヒロインの可愛さ、服装の多さ、SNSの活用。
大したストーリーこそないものの、各イベントでのヒロインの魅力は十分堪能できる恋愛ゲームとなっています。
しかし、ここまでなら、それほど良い作品とまでは言えないかもしれません。

そんな本作が、何故私にとって特別な作品になっているのか?
それは本作の舞台が福岡であり、地方色をかなり押し出した作品になっているからです。

本作はただ福岡を舞台にしたというだけでなく、実際の福岡の企業などとコラボして、福岡の街並み、施設、観光名所、グルメなどを取り上げた、かなり福岡推しの作品となっています。
さすがに『風雨来記』ほど本格的ではないにしても、ここまで実際の都市を詳しく扱い、作品に絡めた恋愛ゲームも珍しいでしょう。
プレイしていて、また福岡に行きたくなりましたし、福岡グルメの味が恋しくなりました。

私の出身は山口ですが、福岡にもかなり強い思い入れがあります。
ここからはちょっと個人的な話になってしまいます。
どうか御容赦ください。

実は私、かつて北九州の女性と付き合っていたのですが、本作をプレイしていると、その時の記憶が鮮明に蘇ってきます。
結局彼女とは別れてしまいましたが、一時は北九州に永住しようと本気で考えたくらいですね。
(作中で言われているように、福岡は本当に美人が多いです。)

本作のゆいと北九州でデートするイベントなど、まさに当時のデートコースが出てきて、何だか妙にドキドキしてしまいました。
私が人生で特別に愛した女性が二人いるのですが、本作をプレイしていると、その二人と雰囲気が似ている本作のゆいと桃尻さんが脳内で勝手にオーバーラップしてしまいます。
美少女ゲームをプレイして、お前は一体何を考えてるんだと言われそうですね。

とまあ読者の方にはどうでもいい個人的な話はここまでにして、本作の評価は冷静に考えれば★3が妥当かなと思いつつも、私は本作に対してとても冷静には考えられないので、福岡推しポイントにより★1つ分プラスされています。

でも改めて冷静に考えてみると、現実世界を舞台にしながら、舞台設定が曖昧な恋愛ゲームが多いように思うので、本作のように実際の舞台を詳細に描いた作品はもっと増えていいと思いますね。
本作が目指したリアルな恋愛模様、その全ての要素が上手くいったとは言えないものの、ヒロインと実際の福岡のデートスポットにお出掛けするというポイントに関しては、少なくとも私には深く刺さりました。