yukimuraのメモ帳 ver.2

2023.10 ブログ活動5年

作品の感想、ブログ活動の振り返り。

 

《映画》
まずは映画の感想から。
最近チェックした作品の中から良かったものをピックアップして書いておきます。


『マイ・ブロークン・マリコ』(2022)
評価 : ★★★★
タナダユキ監督は好きな女性監督で、中でも蒼井優が主演した『百万円と苦虫女』は一番のお気に入りです。
近年なかなか不調でしたが、コミックを映画化した本作は『百万円と苦虫女』のような感覚のロードムービーで、個人的にもかなり気に入りましたね。
OLのトモヨは、親友のマリコが自殺したことをニュースで知り、父親に虐待されていた彼女を遺骨だけでも救い出したいと願ったトモヨは、遺骨を奪って逃走し、彼女が行きたがっていた岬へと旅に出る…。
というお話ですが、親友の遺骨と共に旅をするという設定がまず面白いです。
トモヨとマリコ共依存の関係にあり、マリコの境遇には悲しくなりますが、彼女に頼られることで自分を保っていたトモヨの想いにも切なくなります。
普段可愛らしい役の多い永野芽郁が、普段演じないような、やさぐれた女性を演じているのも個人的に良かったですね。



『土を喰らう十二ヵ月』(2022)
評価 : ★★★★
水上勉のエッセイ『土を喰ふ日々 わが精進十二ヵ月』を脚色して映画化した作品。
幼少期に寺で精進料理を学んだ主人公が、その経験から自身で野菜を育て山菜を採り料理する日々を描いています。
そこで映し出される自然環境が美しく、その自然と共に生きる主人公の様子を、四季の移ろいと共に緩やかに捉えていて、観ていて心が安らぎます。
料理研究家土井善晴が料理の監修をしており、作中に出てくる料理はどれも美味しそうです。
食事や営みといった生に絡む場面と共に、死に絡む場面も極めて平等に自然な形で描かれ、作品から仏教的な思想も窺えます。
主人公の亡き妻の母親役を演じた奈良岡朋子は、本作が遺作となりましたが、彼女の演技も素晴らしかったです。



『ある男』(2022)
評価 : ★★★★
平野啓一郎の小説を監督・石川慶、主演・妻夫木聡で映画化。
女が故郷で出会ったある男と結婚し、幸せな日々を送るが、男は事故で命を落としてしまう。
悲しみに暮れる一家の元に、亡くなった男が他人の名を騙る別人であったという事実が明かされる。
男の身元調査を頼まれた弁護士は、調査をする中である真実に近付いていく…。
事件を追う弁護士が主人公であり、ある男の調査が進んでいく中で、弁護士の内に抱えた人間性も暴かれていき、次第に調査対象の男に感応・共感していきます。
謎を追い求めていく内に、人間存在に迫っていく内容には、松本清張の作品のような手応えを感じました。
非常に見応えある作品ですが、もったいぶったラストが残念で、ちょっと気取りすぎという感じでしたね。



『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』(2022)
評価 : ★★★★★
#MeToo運動が世界に広がるきっかけとなった、ハリウッドで強い影響力を持つ映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインによる長年の性加害を暴いた、2017年のニューヨーク・タイムズ紙の報道に至るまでの実話を元にした映画。
その性加害事件を追いかけた二人の女性記者、ミーガン・トゥーイーとジョディ・カンターの奮闘を描いた伝記映画でもあります。
絶対的権力者による何十年にも渡る性加害、それを暴くため二人の記者が尽力するのですが、加害者側からの激しい妨害もあり、一筋縄ではいきません。
さらに、ただ真実を暴けばいい訳でなく、被害女性への配慮も必要です。
いかに行動すべきかという緊張感が、映画としても非常にサスペンスを感じさせます。
アメリカ社会にもいろいろ問題はあるでしょうが、こういう優れた報道作品がコンスタントに生み出される時点で、根底では日本よりヒューマニズムの可能性が感じられます。
ジャニー喜多川の件でウダウダやってる日本には、こういう映画は永遠に作れないでしょう。





《アニメ》
夏アニメは結局オススメできるほどの作品は無かったですが、最近チェックしたアニメの感想も一応書いておきます。
ここ一年以内で言えば、『ぼっち・ざ・ろっく!』『【推しの子】』みたいに毎週楽しみな作品が常にあれば良いのですが、なかなか無いですね。
秋アニメも本数の多さには辟易しますが、とりあえず先日放送された『葬送のフリーレン』は視聴し続けようと思います。

『四畳半タイムマシンブルース』(2022)
評価 : ★★★★
劇団・ヨーロッパ企画の舞台『サマータイムマシン・ブルース』と森見登美彦の小説『四畳半神話大系』のコラボ作品をアニメ化。
私は『サマータイムマシン・ブルース』の舞台版も実写映画版も大好きで、ゲラゲラ笑いながら楽しめるタイムトラベルものの名作でした。
本作を簡単に説明すると、『四畳半神話大系』のキャラで『サマータイムマシン・ブルース』をやってみました、という作品ですね。
既に『サマータイムマシン・ブルース』を知っている人にはお馴染みの内容ですが、それを『四畳半神話大系』のひねくれたキャラが繰り広げるのが面白いですね。
大枠では二番煎じなので★5には届きませんが、元の『サマータイムマシン・ブルース』を知らない人はかなり楽しめる作品でしょう。
結果的には、こちらのアニメも十分オススメできます。



無職転生Ⅱ ~異世界行ったら本気だす~』(第1クール) (2023)
評価 : ★★
来年に第2クールがあるのでまだ途中ですが、第1クールの時点での感想です。
第1期は下品な要素の多さに辟易しつつも、最終的には良質なファンタジーとして大いに感心させられる作品でした。
しかし、今回の学園編はファンタジー作品に相応しい大きな波乱が無いため、どうにもつまらないです。
第1期で私が好きだった要素が無くなり、嫌いな要素ばかりが残った感じです。
さらに、第1期の主要スタッフが離脱したため、アニメの質もだいぶ落ちて、以前のような見応えがありません。
この調子では、今後もあまり期待できそうにないですね。
これなら『おにまい』2期のほうが観たいです。

『好きな子がめがねを忘れた』(2023)
評価 : ★★
タイトルにあるように、ヒロインが眼鏡を忘れた云々で延々と引っ張る作品です。
映像は人物も背景も綺麗ですが、微妙に融け合ってない感じですし、無駄にヌルヌル動いてる感じもして、使い方は良くないです。
まあ綺麗さで割りと見られる作品ではあります。
それにしても、最近のラブコメはヒロインを白痴にしなきゃいけない決まりでもあんのかい?
私は眼鏡をかけないですが、視力の低い人がここまで眼鏡を忘れるのは、完全に無理があるでしょう。

『わたしの幸せな結婚』(2023)
評価 : ★★
こちらも放送前から期待していて、実際に雰囲気は良い作品でしたね。
私の好きな声優・上田麗奈の声も堪能できました。
恋愛要素一本で行ってくれたら楽しめたでしょうが、異能関連の要素は面白くなく、後半は興味が失せてしまいました。
最終回のバトルも失笑ものでした。

BanG Dream! It's MyGO!!!!!』(2023)
評価 : ★★★
BanG Dream!』シリーズは全部観てないものの、この作品はシリアスな内容が話題になったので観てみました。
これまでのシリーズに多少あったギスギスした要素を更に強めた作品ですが、女子高生バンドアニメでここまで必要以上にバンドの嫌な部分を強調するのも少々疑問に感じます。
「ギスドリ」と揶揄されるように終始ギスギスしてますし、個人的にも立希やそよのヒステリーっぷりには「ヒスドリ」と言いたくなりました。
バンドものらしい気持ちいいライブシーンが披露されるのも終盤くらいで、それまで大きなカタルシスが無いので、全体的には何だか面倒臭い葛藤劇という印象でした。
他にも、祥子何なん?とか、最終回はMyGOじゃないんかい!とか、決して褒められる内容ではないですが、結構続きが気になったり、リアルタイムで楽しんだほうがいい作品という感じでしたね。
まあ、第12話のライブシーンを観ていると、いろいろあったけど良かったねという感じになりますし、個人的にはなかなか楽しめました。
最近のアニメは、なかなか私に★3以上を付けさせてくれないですが、夏アニメの他の作品よりは楽しんだので、★3を進呈しておきます。

『映画 プリキュアオールスターズF』(2023)
評価 : ★★
監督・田中裕太、脚本・田中仁という、シリーズでも特に実績のあるスタッフによる作品なので、期待を込めて観に行きました。
このスタッフの作品は『Go!プリンセスプリキュア』『映画 魔法つかいプリキュア!』『映画 スター☆トゥインクルプリキュア』とどれも楽しませてもらいましたが、今回が一番面白くないです。
元々オールスター映画は、散漫で大味な内容になりやすいですが、流石のこのスタッフでも、その呪縛からは抜け出せませんでしたね。
前半部分は、近年のシリーズ作品のキャラに人数を絞って展開するなど、それなりに工夫が感じられます。
しかし、序盤に何も状況説明が無いのは居心地が悪かったですし、後半の展開も何だか好きじゃなかったですね。



《ブログ活動5年》
旧ブログを始めてからの期間をカウントすると、この10月で私がブログを始めて5年になります。
新ブログを始めてまだ1年足らずですが、自分の中では5年経過しているので、個人的には何だか一段落した気持ちでいます。

旧ブログの記事は今見るといろいろ拙い部分が多く、他人に見せられる代物ではないので、あちらはずっと封印しておきます。
そのため、結局残せたものは少なく、この記事も含めて32個の記事のみです。
もっと更新できればよかったのですが、7月末から一気にやる気が落ちてしまい、申し訳ないです。

ブログを始めた頃は碌な記事が作れなかったですが、あの頃に比べれば多少なりとも良いものが作れるようになったかと思います。
まあ私の場合、最近になってようやくマシなものが作れるようになった感じもします。

昔よりそれなりに技量は上がり、本当ならここから更にブログを頑張っていくべきなんでしょうが、残念ながら今の私にブログを始めた頃のような情熱は残ってないんですよね。
ブログを始めた時は30代前半だったのに、気付いたら30代後半になってしまいました…、やれやれ。
正直、この5年間で私もちょっと疲れてしまいましたね。
まあそれでも、新ブログを始めてからは、心残りが無いよう作りたい記事を一応作ることはできたので、割りとブログでやりたいことは達成できた感じです。

そのため、このブログ活動5年という区切りの良いタイミングをもって、一旦活動に幕を下ろそうと思います。
と言っても、別にブログを閉鎖するという訳ではなく、また書きたくなったら何か書くでしょうし、自分の考えを発表する場として残しておきたいと思います。

私の物語は一度エンディングを迎えますが、これからは本当に気が向いた時にたまに何か書くという感じでしょう。
俺はやるだけやったけど、今度はこのブログを読んでるあなたの番だぜ、という気もしますね。
FF10』のアーロンじゃないけど、「もうお前たちの時代だ」って感じですね。

このブログを、いろんな人が気持ち良く集まれる場所にできたらよかったのですが、残念ながら私の力量不足もあり、訪れる人も随分減ってしまいました。
かつて旧ブログを読んでくれた人の中には、私に失望して読まなくなった人もいることでしょう。
本当に申し訳なく思います。

新ブログを始めてからの活動期間は短いですが、一応やるべきことはやったつもりです。
文学50選」「日本映画100選」「外国映画100選」「アニメ・オールタイムベスト100」、これらの記事は作品を羅列した単純なものですが、私の好きな上位作品を手っ取り早く紹介できるので、このブログを訪れた方には見てもらいたいです。
(「アニメ・オールタイムベスト100」と作品が重複するので、「日本映画100選」からアニメ映画を除外して、実写映画オンリーにしました)
特に、「アニメ・オールタイムベスト100」は個人的にかなり頑張って作りました。

そもそも、私がアニメの記事をメインで作っているのは理由があります。
単純に私がアニメが好きなのも理由の一つです。
しかし、それよりも重要な理由として、アニメ系のブログはネット上に一杯あるけれど、本当に実用的で参考になるものが全然無いと思ったんですよね。
そんなわけで、及ばずながらも私が、自分がそういうブログを作れたらいいなと思い、2020年から本格的にアニメを観始めて勉強を始めました。

最初は「誰もやらないなら自分がやるか…」という消極的な考え方でしたが、やっていく内に私はだんだんと怒りのようなものを覚えてきました。
日本のアニメが誕生して一世紀以上、TVアニメが始まってからも半世紀以上が経過しているのに、日本のアニメ界の先人たちは今まで一体何をやってたんだ?という気持ちが込み上げてきましたね。

いろいろ調べてみても、私が考える良い作品を紹介してくれる書籍やサイトが全然無く、その点では大いに失望しました。
アニメについてベラベラ語りたがる評論家や自称アニメ通は多いくせに、実際問題、役に立つ情報を教えてくれるものが全然ありません。
結局、彼らはSNSで共感を得たり、承認欲求を満たすことしか興味ないんだろうか?
後世にきちんと残せるような、参考になるような指標を全然作れていないです。

例えば、いろんな書籍やサイトで、アニメのランキングをよく見かけます。
しかし、私のチェックした範囲では、それらの殆どが「素人が作ったニワカランキング」か「プロが作った高尚ぶったランキング」、大体この二種類しか存在しないような気がします。

私が作ったランキングのように、娯楽作品も芸術作品も全部平等に扱い、幅広い年代の作品を取り揃えたランキングを、私以外に作っている人を全然見かけないんですけど、他にありますかね?
いやいやここのサイトで作ってるよ、という情報を知っていれば是非教えてください。
また、私の作ったランキングに不満があり、俺の作るランキングのほうが凄いぜ、という人がいたら是非それを見せてください。
私も先輩が作るお手本を見てみたいです。

私は冗談でも何でもなく、この世の全てのアニメランキングにとどめを刺すくらいの気持ちで、今回のランキングを作りました。
これからいろんなアニメを観たいという人のための、一つの指標となるものを作ったつもりです。
もうオッサンの私のような人間は、若い後輩のアニメファンに手本を示してあげないといけないでしょう。

私は3年ちょっとの時間を掛けて作りましたが、私よりもアニメファン歴の長い先輩方には、せめてこれくらいのものを作ってもらいたかったんですけどねぇ…。
あんたらにはちょいと無理な注文だったか?
本当にお前らもっとしっかりしろや、と言いたくなります。

結局のところ、彼らはファン歴が長いだけで、ただ漠然とアニメを観て時間を浪費してるだけでしょう。
私より知識や経験がある人はいるはずなのに、それをきちんと活かしている人がいないです。
私が作ったようなものを作れないし、作る気も無い。
プロの批評家と呼ばれる人間でさえ「価値観の多様化」という言葉に甘えて、切磋琢磨しようという気概が全然感じられませんね。

まあそんな感じで、先人達が不甲斐ないので愚痴が長くなってしまいましたが、このブログを読んでる若い人達には、そんなつまらない大人にはなって欲しくないので、どうか頑張って欲しいです。
まあ私の場合、自分が天才になれないから、このブログに触発されて誰か天才が現れてくれることを期待してます。
頭の良い皆さんなら、私くらい軽く越えてくれることでしょう。

とりあえず、私の仕事は一旦終了ということで、ここからは何の義務感もなく、気楽にやらせてもらいます。
今までは、せめて月一回は更新しなきゃ駄目かねぇとか考えてましたが、これからは何も考えず自由を満喫しようと思います。

あとは、結局書こうと思って書けなかった、古いアニメで面白かった作品の感想もあるので、どこかのタイミングで簡単に書けたらいいかなぁ。
今月は、サブスクで配信されていない古いアニメのDVDを買う予定なので、何だかんだでちょこちょこアニメはチェックするつもりです。
私がまだ観ていない名作もあるでしょうし、もし面白い作品が見つかれば、感想を書いていきたいですね。

長くなってしまいましたが、今回の記事で私の物語は一度閉幕となります。
ここまで付き合ってくれた読者の皆さん、本当にありがとうございました!